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2022.09.16

AWS

保護犬・保護猫里親募集サイト「アニフェア」のパフォーマンスを改善!AWSの構成見直しと開発会社との密な連携により実現

アニフェアは、一般社団法人アニマルウェルフェア東京様が運営する、保護犬・保護猫の里親募集サイトです。ここでは、フューチャースピリッツがアニフェアの安定稼働のために取り組んだ施策について説明します(以下、ウェブサイトは「アニフェア」、運営団体は「アニマルウェルフェア東京様」と表記)

■サマリー

保護犬・保護猫の里親募集サイト「アニフェア」は、コンテンツの増加に伴い、稼働状況に問題が生じていた。

フューチャースピリッツは、対策として、「AWS WAFCloudFrontの追加を含むインフラ構成のチューニング」「専門家がトラブルに即応し、継続的な改善活動を行える体制を構築」等を実施。

その結果、サイト稼働は徐々に安定化してきている。

 

導入サービス AWSインフラ改善サービス
AWSインフラ運用保守・監視サービス
会社名 一般社団法人アニマルウェルフェア東京
事業内容 保護犬・保護猫の里親募集サイト「アニフェア」の運営

ウェブサイトは順調に成長。しかし、ウェブサイトの稼働に問題が…

このサイト名は、Animal Welfare(動物福祉)という言葉に由来しています。動物福祉とは、動物に「5つの自由」を約束することです。

5つの自由とは、「飢えと渇きからの自由」「痛みと病気からの自由」「恐怖と抑圧からの自由」「不快からの自由」「正常な行動を表現する自由」です。

「保護犬がより健康に長生きできる 社会基盤の構築を目指す」を社会的使命として掲げて活動するアニマルウェルフェア東京様が運営するアニフェアは、20201月のリリース以来、実績を順調に積んできています。20228月時点で保護犬猫を2,757頭掲載し、累計譲渡頭数は20229月末時点で10,000頭に到達する見込みです。

ところが、掲載情報や過去情報のアーカイブの大幅な増加に伴い、アニフェアに下記のような事象が発生するようになりました。

●掲載データをWordPressの管理画面より登録、更新する際、異常に時間がかかることや、登録が完了しないことがある。
●トップページの表示や、登録された犬猫の検索に異常に時間がかかることがある。
●その他、何らかのトリガーによって、ウェブサイトの挙動が著しく不安定になることがある。


こういった事象を解消するための助言をアニマルウェルフェア東京様に対して行うため、2021年9月より、フューチャースピリッツは調査を開始しました。

状況把握からはじめ、セキュリティ・監視・自動復旧を対策

アニフェアの初期構築とリリース以降の運営にはフューチャースピリッツは関わっていなかったため、イチからサイトの状況を把握していきました。

調査開始時点の初期構築のAWS環境にはAWS WAFが含まれていなかったため、セキュリティ対策としてAWS WAFを追加しました。追加した時点の構成図は、このようなものでした。

フューチャースピリッツは、まず、サイト挙動を24時間365日有人監視する体制を構築しました。サイトに異変があると、Zabbixを介してモニタリングセンターがすぐに検知し、サーバーエンジニアが対処できるようになりました。

さらに、2021106日、サイト接続障害が長時間継続する事態を回避するため、サイト接続障害時の自動復旧の仕組みを導入しました。11月末までに11回自動復旧機能が発動しましたが、いずれも数分間のサイト接続障害で自動的に復旧できました。

また、検知したサイト異変への対処や、アクセス傾向とサイト異変発生の相関関係を分析するとともに、アニフェア環境を丸ごとコピーした試験環境を一時的に構築し実際にアクセス負荷をかけて挙動を調査するなどの対応を進めました。

CloudFrontを追加。インフラ構成をチューニングし、AWS環境・運用体制を改善

調査の結果をアニマルウェルフェア東京様に報告し、それに基づいて協議を行いました。その結果として、フューチャースピリッツでは以下のような改善施策を行いました(実際は複数ステップに分けて実行しましたが、ここではまとめて記載します)

●静的コンテンツをキャッシュし、サーバー負荷を低減するためのCloudFrontの導入。20211018日の実装後、Webサーバーからインターネットへの外部伝送トラフィックが顕著に減少。CPU負荷など他のリソースについてもピーク値の低下傾向を確認。

●サイト応答時間を監視し、応答遅延を検知した場合はサイト接続障害が発生する前に自動的に高負荷プロセスのリセットを実施するワークアラウンドを設定。

●構成要素のインスタンスサイズの調整。EC2はスケールアップし、逆にRDSはスケールダウン。EC2CPU利用が大きいのに対し、RDSのメモリは大幅に余っていたため。パフォーマンスと費用対効果の両方を満たすために最適なインスタンスサイズを設定しました。

●アプリケーションの改善を加速するため、アプリケーション開発会社を新たにプロジェクトに招聘。複数社コンペを経てアニマルウェルフェア東京様に選定されたのは、WordPressに深い知見を持つ株式会社Maromaro様(以下Maromaro)。コンペにおいて鋭い洞察を見せていたMaromaro様からのシステム改修提案によって、WordPressのパフォーマンスは徐々に改善されてきています。

●アニマルウェルフェア東京様、Maromaro様、フューチャースピリッツによる3社共同運用を円滑に行うため、指揮系統、連絡系統、緊急時の対応フロー等を整理し、ルールを整備。Slackでホットラインを開通し、スムーズなコミュニケーションを実現。

●アニマルウェルフェア東京様によるアプリケーション事前検証用環境の追加や、一部コンテンツをサイト分離する将来構想に向けた追加環境の構築。

 

上述にあるひとつひとつの施策により、改善は着実に進んでいます。意図しないサーバー障害の発生頻度は、月1回未満まで減少しています。また3社体制により、サイトが不安定になった時も、早急に検知・連携し、迅速に対応できるようになりました。

今後に向けて

アニマルウェルフェア東京理事の横田氏からは、
「サイトの障害を回避する事は勿論ですが、表示速度が上がる事は、ユーザーの利便性や検索順位とも関係性が強いと考えている為、フューチャースピリッツ様の適切なご提案は、保護犬猫たちを1頭でも多く救う為にも、とても助かっています。」や、
「別サイトでサーバー運用をお願いしている会社は最近サポートが悪くなってきていて、不満がたまっていました。その点フューチャースピリッツからは早くて手厚い対応をしてもらえていて、評価しています。そういう評価をもとに、今回公式サイトの相談をしました。」という声もいただいています。

フューチャースピリッツ担当営業の松倉は、「まだまだ行うべき改善策は残っている」といいます。「アニマルウェルフェア東京の社会的使命の実現に、AWSの専門家としてこれからも協力していきます」。

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保護犬猫譲渡サイトアニフェア

URL https://anifare.jp/

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