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2024.03.14

AWS

【3大クラウドを比較してみた】AWS、Azure、GCPの特徴やメリットを紹介


目次

01. クラウドコンピューティングサービスとは

「クラウドコンピューティングサービス(以下、クラウドサービス)」は、インターネットを経由して、コンピュータリソース(サーバー、データストレージ、データベースなど)を利用するサービスです。

クラウドサービスの特徴の一つに、利用した分だけ料金を支払う従量課金制が挙げられます。また、インターネット経由でリソースを使用できるため物理的な機器の購入や管理が不要です。そのため、初期投資費用を抑えられ、資金繰りの負担が軽減されます。また、スケーラビリティや柔軟性が高いので、事業規模の拡大や変化にも柔軟に対応できます。

実際にクラウドサービスを検討していると、3大クラウドというキーワードを目にすることがあると思います。3大クラウドとはアマゾン ウェブ サービス (AWS)、Microsoft Azure(Azure)、Google Cloud Platform(GCP)のことを指します。

AWS、Azure、GCPはそれぞれAmazon、Microsoft、Googleが提供しているサービスです。これらのサービスが3大クラウドと言われる理由の1つに、高いシェア率が挙げられます。2023年の第3四半期にはこの3サービスで世界のクラウドサービスマーケットシェアの約66%を占めていました。(出典:https://www.crn.com/news/cloud/microsoft-aws-google-cloud-market-share-q3-2023-results

世界のクラウドサービスマーケットシェアの約66%を占めるほど、圧倒的な利用率を誇る3つの主要なクラウドサービス。この記事では、それぞれのサービスの特徴や違いを解説していきます。

<各クラウドサービスの公式Webサイト>
・AWS(Amazon Web Services)
https://aws.amazon.com/jp/

・Azure(Microsoft Azure)
https://azure.microsoft.com/ja-jp

・GCP(Google Cloud Platform)
https://cloud.google.com/?hl=ja

02. 各クラウドサービスの概要

① AWS(Amazon Web Services)

AWS は、Amazonが提供しているクラウドサービスです。2023年の第3四半期には32%のマーケットシェアで世界トップを誇りました。
(出典:https://www.crn.com/news/cloud/microsoft-aws-google-cloud-market-share-q3-2023-results?page=6

AWS は2024年2月時点で、240を超えるサービスを提供しています。2011年には東京、2021年に大阪にリージョンを開設し、日本以外にも世界中にデータセンターを保有しています。リージョンとは、クラウドサービスで利用するデータセンターの所在地のことを意味します。世界中に33のリージョンがあり、245の国と地域でサービスを提供しています。

AWS はスケーラビリティ、高いレベルのセキュリティ、豊富なサービスがあることで知られています。多くの企業で利用されている理由は、その利便性と効率性にあります。特に、ユーザー数の増加に応じてサーバーを拡張する必要がある場合のAWSオートスケーリング機能が非常に有効です。オートスケーリングを利用すると、トラフィックの増加に応じてリソースを自動で拡大・縮小できます。これにより、手動でサーバーを管理する必要がなくなり、手間と時間を大幅に削減することができます。

導入実績も多く、『PayPay』、『SoftBank』などの堅牢性が求められるサービスや『マリオカート ツアー』などのエンターテインメント、『浜松市』、『同志社大学』などの政府や教育機関など、多くのサービスで利用されています。


また日本語でのサポートも24時間365日(ビジネスプラン以上)、無制限で受けることができます。

② Azure(Microsoft Azure)

Microsoft Azureは、企業向けのITソリューションに特化しているMicrosoftが提供しているクラウドサービスです。2023年第3四半期には、世界のクラウドサービス市場において23%のシェアを占め、2位にランクインしました。
(出典:https://www.crn.com/news/cloud/microsoft-aws-google-cloud-market-share-q3-2023-results?page=5

Azureは2024年2月時点で、265個以上のサービスがあります。また、世界中に60以上のリージョンがあり、140の国と地域でサービスを提供しています。

Azureの特徴は、Microsoft 製品との親和性が高いことです。Office 365などの既存システムとシームレスに連携できるため、導入や運用がスムーズにできます。さらに、WindowsやOffice365に加えて、Active DirectoryやSQL Server、Oracleなど他の主要なサービスとの連携もできます。そのため、AzureはMicrosoft製品を利用している企業やユーザーにおすすめです。

Azureはオンプレミス環境とクラウド環境の両方に対応しており、企業独自の環境に合わせた運用が可能です。また情報セキュリティに関する国際的な規格やガイドラインに準拠しており、高いセキュリティ機能が備わっています。そのため、セキュリティが重視される大企業に適しています。

代表的な事例としては『コカ・コーラ』や『BMW』、『トヨタ自動車』などが挙げられます。これらの企業では開発や大量のデータ活用・分析に使用されています。大企業では膨大なデータの管理と堅牢なセキュリティが必要なため、Azureのような高セキュリティのクラウドサービスが適しています。

③ GCP(Google Cloud Platform)

GCPは、Googleが提供しているクラウドサービスです。2023年第3四半期には、世界のクラウドサービス市場において11%のシェアを占め、3位にランクインしました。
(出典:https://www.crn.com/news/cloud/microsoft-aws-google-cloud-market-share-q3-2023-results?page=4

GCPは2024年2月時点で165個以上のサービスがあります。日本では東京と大阪にデータセンターがあり、世界中に40のリージョンがあります。

GCPはデータ分析やビッグデータ活用に特化したクラウドサービスです。最新技術を活用した新しいシステム開発に長けており、特にAIや機械学習を活用したサービスが強みです。代表的な事例として『Super Mario Run』、『ポケモンGO』、『Spotify』などの開発に利用されています。GCPはデータ処理やAIに関連する優れたサービスを提供しているため、「データ分析を効率化したい」「AI/機械学習を活用した新しいサービスを開発したい」などの課題を抱える企業に適しています。

またGoogle WorkspaceなどのGoogleが提供するサービスとの連携ができるためGoogle製品を利用しているユーザーにもおすすめです。

03. 料金モデルと無料利用枠

次にAWS、Azure、GCPそれぞれの無料利用枠を含めた料金モデルについて説明します。

はじめに、料金モデルは、3サービスとも従量制課金制で、使用した分だけ支払う料金モデルです。つまり、利用時間や利用量によって料金が変動します。ただ、3サービスそれぞれ課金する単位が時間・分・秒単位で異なります。各サービスの料金モデルは以下となります。

AWS Azure GCP
サービスによって異なりますが、 時間単位もしくは秒単位での課金 ほとんどのサービスが分単位での課金 サービスによって異なりますが、 時間単位もしくは秒単位での課金

しかし、初めてクラウドサービスを利用しようとする場合、どのサービスを選ぶべきか迷いますよね。利用した分だけ支払うとしても結局のところいくらかかるのか気になるところです。そういうユーザーのため、3サービスとも新規ユーザー向けに無料利用枠を提供しています。無料利用枠を使えば、実際にサービスを試してから利用を検討することができます。

ただし、無料利用枠にはいくつかの制限があります。

  • ・無料で使える上限金額がある
  • ・無料期間が各サービスによって異なる
  • ・無料利用枠を使える対象サービスが限定されている

以下の表では、3サービスの無料利用枠の違いをまとめました。

AWS Azure GCP
上限金額 利用サービスよる ~USD200相当まで ~USD300相当まで
対象サービス数
※2024年3月現在
118個 82個 24個
期間 利用サービスよる。
無料で利用できる期間は以下3パータン。

・無料トライアル
:初回利用から短期無料トライアル後、超過分は有料。

・12ヶ月間無料
:新規ユーザー限定。12ヶ月間無料期間または無料使用量使用後の超過分は有料。

・常に無料
:既存および新規のユーザー関係なく無期限で利用可能。
12ヶ月間 90日間

各クラウドサービスの料金詳細はWebサイトで確認できるため、導入前に詳しく確認することが重要です。以下、3サービスの料金に関するページです。

04. サービスと機能の比較

3サービスのそれぞれの機能をまとめて、カテゴリ別に比較していきます。それぞれで提供している機能が異なるため、利用したい機能があるサービスを選ぶことが重要です。

① コンピューティング

コンピューティングとは、クラウド上で仮想サーバーを構築することができるサービスです。

種類 AWS Azure GCP
仮想マシン(IaaS) Amazon EC2 Azure Virtual Machine Compute Engine
コンテナ ・ Amazon Elastic Container Service
・ Amazon Elastic Kubernetes Service
・ AWS Fargate
・ Azure Container Instance
・ Azure Kubernetes Service
・ Kubernetes Engine
・ Cloud Run
アプリケーション基盤
(PaaS)
AWS Elastic Beanstalk Azure Web Apps ・App Engine
・ Firebase
サーバーレスサービス
(FaaS)
Amazon Lambda Azure Functions Cloud Functions
VPS Amazon Lightsail Virtual Machines

基本的な機能は3サービスとも似ていますが、各社独自の強みがあります。AWS はサービスの多様性と拡張性に、
AzureはMicrosoft製品との統合に、GCPは機械学習とデータ分析に優れています。

② ストレージ

ストレージとは、インターネット上のストレージにデータを保存できるサービスです。クラウドを利用することで、データの保存や管理が容易になり、企業のデータ管理を低コストかつ効率的に行うことが可能です。

種類 AWS Azure GCP
オブジェクトストレージ Amazon S3 Azure Blob Storage Cloud Storage
ブロックストレージ Amazon EBS Managed Disk Persistent Disk
・ Cloud Run
ファイルストレージ Amazon EFS Azure Files Cloud Filestore
大容量データ移行サービス ・ AWS Snowball
・ AWS Snowball Edge
・ AWS Snowmobile
Azure Data Box

ストレージについて、各サービスの特徴は以下の通りです。

AWS は、暗号化が強固です。また、読み取りの遅延が短いサービスがあります。特に、Amazon S3は、オブジェクトストレージサービスであり、高い信頼性と拡張性を提供しています。また、広範囲のアプリケーションでのデータストレージに適しています。

Azure Blob StorageはHDDより10倍以上高速なSSDを提供しています。また、オンプレミス環境とスムーズに連携ができるため、ハイブリッド環境でデータ管理を効率的に行うことができます。

Google Cloud Storageは、データを複数のリージョンに複製し、保護することが可能です。障害発生時でもデータ損失リスクを低減できます。

③ データベース

データベースは、インターネット経由で構築、デプロイ、およびアクセスできるデータベースサービスです。従来のオンプレミスデータベースとは異なり、サーバーの設置や運用管理は不要で、コストを抑えながら、必要な時に必要なリソースを簡単に用意できます。これにより、検索、更新、抽出などが簡単にできます。

種類 AWS Azure GCP
リレーショナルデータベース ・ Amazon RDS
・ Amazon Aurora
Azure SQL Database ・ Cloud SQL
・ Cloud Spanner
NoSQL ・ Amazon SimpleDB
・ Amazon DynamoDB
・ Azure Table Storage
・ Azure Cosmos DB
・ Cloud Bigtable
・ Cloud Datastore
・ Cloud Firestore
NewSQL Amazon Aurora Cosmos DB Cloud Spanner
データウェアハウス Amazon Redshift Azure Synapse Analytics BigQuery

AWS のデータベースサービスは、さまざまなデータベースの種類に対応しており、あらゆるニーズに対応できます。特にAmazon Auroraは、MySQLとPostgreSQLの機能をそのまま利用できます。また、従来のデータベースよりも高速で動作します。

AzureはMicrosoft SQL サーバーと連携しやすいです。Azure SQL Databaseは、セキュリティとスケーラビリティが高いです。

GCPはBigQueryにおいて、大量のデータを高速で処理し分析することが可能です。Cloud Spannerは、世界中に分散しているデータベースで、SQLクエリ言語を使って操作できます。

④ 機械学習・AI

機械学習・AIは3サービスとも力を入れている分野です。

種類 AWS Azure GCP
機械学習 ・ Amazon Comprehend ・ Amazon Translate
・ Amazon Transcribe
・ Amazon Rekognition
・ Amazon Rekognition Video
・ Amazon Sage Maker
・ Azure Cognitive(Text Analytics、Translator Text、Speech Services、Computer Vision/Custom Vision/Face Vision)
・ Video Indexer
・ Cloud Natural Language
・ Cloud Translation
・ Cloud Text-to-Speech
・ Vision AI
・ Cloud Video
AI ・ Amazon Bedrock
・ Amazon Titan
Azure Machine Learning ・ AI Platform
・ AI Hub

AWS は、特にAmazon SageMakerを中心に、開発者が高度な機械学習モデルを簡単に構築、トレーニング、そして素早くデプロイできる環境を提供しています。

Azure Machine Learning サービスは、ノーコードで機械学習モデルを構築できるため、データサイエンティストだけでなく、ビジネスユーザーでも簡単に利用できます。

GCPではGoogleのAI技術を活用したさまざまなサービスが提供されており、言語処理、画像認識、ビッグデータ分析などで高い性能を持っています。また、Googleの豊富な技術資源と研究成果を基に、専門的な知識がないユーザーでも簡単にアプリケーションやサービスに機械学習を組み込むことができます。

⑤ IoT

IoTは従来インターネットに接続されていなかったさまざまなモノ(家電製品、自動車、ウェアラブルデバイス、産業機器など)を無線LAN、Bluetoothなどのネットワークを通じてサーバーやクラウドサービスに接続する仕組みのことです。IoTを利用した身近な製品の例として、外出先から電源や温度設定を操作できるエアコンなどがあります。

種類 AWS Azure GCP
IoT AWS IoT Core Azure IoT Hub Cloud IoT Core

AWS IoT Coreを利用すると、数十億台のスマート家電を安全にAWSクラウドに接続し、家電の稼働状況や利用データの分析を行えます。

Azure IoT Hubはデバイス管理とデータ収集・分析をサポートします。また、Microsoftの豊富なクラウドエコシステム と統合されたAIサービスを提供し、エンタープライズレベルでの実装に適しています。

各社がデータ連携を行うための仕様であるAPIを公開することにより、協業・連携していく仕組みです。Azureのクラウドエコシステムに関する詳細はこちらをご参考ください。
https://powerplatform.microsoft.com/ja-jp/cloud-ecosystem/

Cloud IoT Coreはオープンソースの機械学習フレームワークとシームレスな連携と相互運用を実現することで、データを基盤としたアプローチやAIプロジェクトがスムーズに進められます。

⑥ セキュリティ

3サービスはそれぞれ強力なセキュリティ機能を提供しています。

種類 AWS Azure GCP
SSL/TSL証明書 AWS Certificate Manager Azure App Service Google マネージド SSL証明書
鍵管理 ・ AWS Key Management Service (KMS)
・ AWS CloudHSM
Azure Key Vault ・ Cloud Key Management Service
・ Secret Manager
WAF
(Web Application Firewall)
AWS WAF Azure Application Gateway Google Cloud Armor
DDoS保護 AWS Shield Azure DDoS Protection Google Cloud Armor
セキュリティ管理 Amazon Guard Duty ・ Azure Advanced Threat Protection
・ Shielded VM
・ Azure Sentinel
・ Security Command Center
・ Beyond Crop

AWS は多様なセキュリティサービスを提供しています。特に機械学習を活用した脅威検知やインシデントに対応できる点が強みです。Amazon GuardDutyは 機械学習を用いて悪意のあるアクティビティや異常な動作を監視し、迅速で細かい検出結果を提供します。また、AWS Certificate ManagerはSSL/TLS証明書の期限を監視し、自動更新することで、サービスの中断を防ぎ、セキュリティ維持を効率化できます。

Azureは、統合された認証とアクセス管理、HSM(ハードウェア セキュリティ モジュール)による暗号鍵管理に特化しています。Azure Key Vault はソフトウェアと物理的なHSM による二重の保護を提供し、APIキー、パスワード、証明書、暗号化キーなどを安全に管理できます。特に、Managed HSM プールを利用することで、暗号鍵を物理的に分離された HSM内で厳格に管理することができます。

GCPはセキュリティログの統合管理、Webアプリケーション攻撃へ対応できるのが強みです。Google Cloud Armorはアプリケーションに特化したサービスであり、アプリケーション上でローカルにトレーニングされた機械学習システムを使用することで、レイヤー7に対する大量のDDoS攻撃を自動的に検出し、軽減することができます。

⑦ 運用管理

運用管理は、効率的にサーバーを運用するために不可欠です。AWS、Azure、GCPにはそれぞれ、ログ監視、自動復旧、権限管理などの機能が備わっています。これらの機能を活用すると、運用負荷を軽減し、コストも削減することができます。具体的には、稼働していないリソースの自動シャットダウンや自動再開機能で迅速かつ効率的な復旧を実現でき、コストの削減とシステム停止の危険性を最小化することができます。

種類 AWS Azure GCP
権限管理 AWS Identity and Access Management (IAM) Azure Active Directory (AD) Cloud Identity and Access Management (IAM)
サービス管理 ・ AWS Management Console
・ AWS Command Line Interface (CLI)
・ Azure Portal
・ Azure Command Line Interface (CLI)
・ Azure PowerShell
・ Azure Cloud Shell
・ Cloud Console
・ Cloud Shell
・ Cloud APIs
ログ監視 Amazon CloudWatch Azure Monitor ・ Cloud Monitoring
・ Cloud Logging
・ Cloud Trace
・ Error Reporting
・ Cloud Debugger
・ Cloud Operations Suite
環境構築自動化 AWS CloudFormation Azure Resource Manager (ARM) templates Cloud Deployment Manager

AWS は、豊富な統合サービスと自動化オプションにより、大規模なインフラ管理を効率的に行うことができます。特に、Amazon CloudWatchは、ログの収集と可視化、アラート設定に優れており、サーバーのパフォーマンス監視や運用自動化をサポートします。そのため、監視対象が増加しても柔軟に対応可能です。アクセスが急増するなどの原因でデータ量が激しく変化する企業やサービスに最適です。

Azureの中でAzure Monitorは、Azure環境内でのアプリケーション診断、リアルタイム分析、アラート設定に特化しています。Azure MonitorはMicrosoft 365やActive DirectoryなどのMicrosoftサービスとの連携がスムーズです。

GCPの中でCloud Operations Suiteは、GCPが提供するアプリケーションとインフラの監視、ログ管理、トレースを一括で管理できるサービスです。オープンソースツールとの連携も可能で、PrometheusやGrafanaなどと連携できます。既存のツールを活かしながら、運用管理を強化できます。

また、Amazon CloudWatch、Azure Monitor、Cloud Operations SuiteともAWS、GCP、Azureのリソースをまたいで監視できること、マルチクラウド環境の運用できることが強みです。

05. カスタマーサポートと認定資格

クラウドサービスを効果的に活用するには、カスタマーサポートと認定資格の活用がおすすめです。各サービス
(AWS、Azure、GCP)によってサポート内容は異なり、プランによって利用可能なサポートレベルも異なります。基本的なサポートで十分な場合もあるので、利用状況に合わせて適切なサポートを選択することが重要です。

認定資格は、クラウド技術やプラットフォーム、サービスに関する深い知識と理解を証明するものです。ユーザーは資格取得を通じて、新しい技術やサービスを学び、既存のスキルを更新することができます。これにより、技術の進化に迅速に対応し、クラウドサービスをより効果的に利用することが可能になります。

次に、AWS、Azure、GCPそれぞれのカスタマーサポートと認定資格について、具体的な内容を詳しく見ていきましょう。

① AWS のカスタマーサポートと認定資格

AWS は、充実したカスタマーサポートを通じて、ユーザーがクラウドサービスを効率的に使用できるように支援しています。
すべてのAWS ユーザーが無料で利用できるサポートカスタマーサービス、ドキュメントホワイトペーパーAWS
re:Post
(AWS ユーザー間のコミュニティ)があります。

その他、追加料金で利用できるサポートは以下となります。

  • AWS Trusted Advisor:AWS 環境を最適化してコストを削減し、パフォーマンスとセキュリティを向上させる
  • ためのオンラインリソース
  • AWS Health(AWS Personal Health Dashboard):AWS 環境に影響を与える可能性のあると時にアラートを
  • 発する機能
AWS が提供する有料の主要なサポートプランには、以下となります。

プラン デベロッパー ビジネス Enterprise On-Ramp エンタープライズ
利用条件 最低請求額USD29

または

月額使用料の3%

のうち高い方
最低請求額USD100

または

① 月額使用料が0~USD10,000:10%
② 月額使用料がUSD10,000〜USD80,000:7%
③ 月額使用料がUSD80,000〜USD250,000:5%
④ 月額使用料がUSD250,000~:3%

のうち高い方
最低請求額
USD5,500

または

月額使用料の 10%

のうち高い方
最低請求額
USD15,000

または

① 月額使用料が0~USD150,000:10% ② 月額使用料がUSD150,000〜USD500,000:7% ③ 月額使用料がUSD500,000〜USD1,000,000 : 5% ④ 月額使用料がUSD1,000,000 ~:3%

のうち高い方
ケースの重要度と応答時間 ・ 一般的なガイダンス:24時間以内

・ システム障害:12時間以内

・ 技術サポート:平日9時~18時、Webのみ
・ システム障害:12時間以内

・ 本番システム障害:4時間以内

・ 本番システムダウン:1時間以内

・ 技術サポート:24時間 年中無休、Web、電話、チャット

※一般的なガイダンス、 システム障害はデベロッパーと同一
・ ビジネスクリティカルなシステムのダウン:30分以内

・ 高度な技術サポート(24時間 年中無休、Web、電話、チャット)

※一般的なガイダンス、 システム障害、本番システムの故障・ダウンはビジネスと同一
・ビジネス/ミッションクリティカルなシステムのダウン:15分以内

・高度な技術サポート(24時間 年中無休、Web、電話、チャット)

※一般的なガイダンス、 システム障害、本番システムの故障・ダウンはビジネスと同一
サポート比較 AWS re:Postでの優先順位付けされた回答 ・ AWS re:Postでの優先順位付けされた回答

・ Slack上での AWS サポートアプリケーションにアクセス

・ AWS サポート APIによるケース管理
・ AWS re:Postでの優先順位付けされた回答

・ Slack上での AWS サポートアプリケーションにアクセス

・ AWS サポート APIによるケース管理

・ 請求に関する問題へのホワイトグローブ (コンシェルジュ) のアクセス

・ 事前対応型のガイダンスを提供
・ AWS re:Postでの優先順位付けされた回答
・ Slack上での AWS サポートアプリケーションにアクセス

・ AWS サポート APIによるケース管理

・ 事前対応型のコスト最適化、FinOps サポート、コスト分析、請求に関する質問への優先回答など、請求管理における積極的なサポート

・ テクニカルアカウントマネージャーによる運用ガイダンスの提供
その他 追加料金で以下をご利用可能

AWS Managed Services (AMS)

AWS re:Post Private (開発者の生産性を高めるためのナレッジサービス)
追加料金で以下をご利用可能

AWS インシデント検出と対応 (選択したワークロードの 24時間 365日の積極的なモニタリングとインシデント管理)

・ AWS Managed Services (AMS)

・ AWS re:Post Private (開発者の生産性を高めるためのナレッジサービス)

引用元:
・ AWS プランの料金詳細:https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/pricing/
・ AWS サポートプラン比較:https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/plans/

AWS はAWS 認定資格を通じてクラウドの専門知識を測るためのトレーニングプログラムも提供しています。これには、初心者からプロフェッショナルまでの12種類の資格があり、業界での専門性の証として広く認知されています。AWS の認定資格は、取得した日から 3年間有効となります。

AWS 認定に関する詳細は以下からご確認いただけます。

https://aws.amazon.com/jp/certification/
クラウドのスキル磨きに役立つ AWS 認定資格 (AWS Certification)
https://www.future.ad.jp/futuremedia/20240111/

② Azureのカスタマーサポートと認定資格

Azureは、ユーザーに対して幅広いサポートオプションを提供しています。以下はBasicのプラン(無料)を含めて全サポートプランの共通内容です。

  • ・ 請求およびサブスクリプションの管理やサポート
  • ・ 問題解決のための資料やコミュニティサービス提供 (Microsoft Learn、Azure portal 使用方法のビデオ、
  • ドキュメント、コミュニティサポート)
  • Azure Service Health : サービスに問題が発生した時の通知

有料サポートプランは以下の3つがあります。

プラン Developer Standard Professional Direct
料金 最低請求額USD29 月額使用料USD100 月額使用料USD1,000
サポート範囲 試用および非運用環境用 運用ワークロード環境用 ビジネス上重要な用途での利用時
ケースの重大度※ と
応答時間
重大度C:8営業時間以内 ・ 重大度A:1時間以内
・ 重大度B:4時間以内
・ 重大度C:8営業時間以内
・ 重大度A:1時間以内 ・ 重大度B:2時間以内
・ 重大度C:4営業時間内
アーキテクチャサポート 一般的なガイダンス 一般的なガイダンス ProDirect デリバリー マネージャーのプールからのガイダンス
その他 相互運用性のサードパーティ製ソフトウェアのサポートと構成のガイダンスとトラブルシューティング 相互運用性のサードパーティ製ソフトウェアのサポートと構成のガイダンスとトラブルシューティング ・ 相互運用性のサードパーティ製ソフトウェアのサポートと構成のガイダンスとトラブルシューティング

・ プログラムによるAzureサポートチャットの作成と管理

・ 運用のサポート

・ 事前対応型ガイダンス

重大度A:事業に大きな影響が発生する場合
重大度B:事業に部分的な影響が発生する場合
重大度C:事業に軽微な影響がある場合

引用元:
・ Azureサポートプランの比較:https://azure.microsoft.com/ja-jp/support/plans 

Azure認定資格は、Azureのクラウド技術に関する専門知識を証明するためのもので、初級から上級まで幅広いレベルがあります。これらの資格は、自身のキャリアアップにおいて業界で必要とされる能力を証明するのに役立ちます。Azure 認定資格の有効期限は1年となります。

Azure認定に関する詳細情報は、以下からご確認いただけます。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/

③ GCPのカスタマーサポートと認定資格

GCPのユーザーが無料で受けられるサポートでは、ドキュメントコミュニティサポートCloud Billing サポート(課金とお支払いのサポート)、Active Assist の推奨事項 (GCPの各サービスを最適化するための分析情報と推奨事項)があります。

GCPの3つの有料サポートプランは以下となります。

プラン スタンダード サポート エンハンスト サポート プレミアム サポート
料金 USD29/月 + 月額使用料の3% USD500/月 + 月額使用料の3% USD12,500/月 + 月額使用料の4%
プラン別のサポート詳細 ・ サポートケースへのアクセスをアカウント別に管理可能

・ マルチチャネル(Web、電話など)での課金とテクニカルサポート

Active Assist Recommendations API(GCPの利用に関する推奨事項と分析情報)

Cloud Support API(Google Cloud コンソールにアクセスせずに、カスタマーケアでサポートケースの作成と管理ができるツール)
・ サポートケースへのアクセスをアカウント別に管理可能

・ マルチチャネル(Web、電話など)での課金とテクニカルサポート

・ Active Assist Recommendations API

・ Cloud Support API

・ テクニカル サポート エスカレーション

・ サードパーティの技術サポート
・ サポートケースへのアクセスをアカウント別に管理可能

・ マルチチャネル(Web、電話など)での課金とテクニカルサポート

・ Active Assist Recommendations API

・ Cloud Support API

・ テクニカル サポート エスカレーション

・ サードパーティの技術サポート

・ Google Cloud Skills Boost

・ イベント管理サービス

・ 運用の健全性の確認

・ カスタマー アウェア サポート

・ テクニカル アカウント マネジメント
最初の回答までの時間※ ・ P2のケース: 4時間
・ P3のケース: 8時間
・ P4のケース: 8時間
・ P1のケース: 1時間
・ P2のケース: 4時間
・ P3のケース: 8時間
・ P4のケース: 8時間
・ P1のケース: 15分
・ P2のケース: 2時間
・ P3のケース: 4時間
・ P4のケース: 8時間
サービス時間 大きな影響のある事象に対する営業時間内サポート(土日休み) 大きな影響およびクリティカルな影響のある事象への24時間 365日のサポート 大きな影響およびクリティカルな影響のある事象への24時間 365日のサポート
サポート対象の言語 英語 英語、日本語、中国語(北京語)、韓国語 英語、日本語、中国語(北京語)、韓国語

P1:重大な影響(本番環境でサービスを使用できない)
P2:影響が大きい(サービスの使用が大幅に損なわれている)
P3:中程度の影響 (サービスの使用が部分的に損なわれている)
P4:影響が小さい(サービスはすべて使用できる)

引用元:
・Google Cloud カスタマーケア: https://cloud.google.com/support?hl=ja

GCPには、Google Cloudの技術を特定の職務で活用するスキルを評価するための、Google Cloud認定資格プログラムを提供しています。これらの資格を取得することで、自分のキャリアに対して積極的に取り組み、業界で求められる専門知識を持つ人材になることができます。GCPの認定資格は、取得から2年間の有効期限があります。

GCP認定に関する詳細情報は、以下からご確認いただけます。
https://cloud.google.com/learn/certification?hl=ja

06. まとめ

今回は、AWS、Azure、GCPの3大クラウドサービスを比較しました。

AWS、Azure、GCPは市場シェアの66%以上を占めており、非常に豊富なサービスを提供しています。豊富なサービスにより、クラウドに求める多数の機能をカバーすることができています。

AWS、Azure、GCPはそれぞれが独自の強みを持っており、提供するサービスによって特徴が異なります。そのため、利用目的を明確にし、現在及び将来のニーズに最適なクラウドサービスを選択することが重要です。

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