最近「AWSの請求が高くなった気がする」というご相談が増えています。
もちろん、為替や利用量の変動による影響もありますが、調査してみると、「見えづらい原因」として多く挙がっているのがRDSのEOL(End of Life)対応による追加課金です。
目次
コスト以上に深刻な、EOLがもたらす運用リスク
RDSのEOLはコスト面の問題だけでなく、以下のような運用上のリスクも伴います。
- セキュリティパッチが最低限にとどまる:
緊急性の低い脆弱性に対応されない可能性があり、情報漏えいや不正アクセスのリスクが高まります。 - 最新機能やパフォーマンス改善の対象外:
利便性や効率性の面でも徐々に取り残される状態に。 - バージョンアップ時の選択肢やルートが制限される:
長期間EOLバージョンを使い続けていると、後継バージョンへのスムーズな移行が困難になるケースも。
特に「現在は問題なく動作している」ように見えるリソースほど、EOLによる影響に気づきにくく、結果として将来的なトラブルの火種となることが少なくありません。
AWS環境全体で確認すべき、EOLの可能性
RDSに限らず、AWSではさまざまなリソースや構成要素において、EOL(End of Life=サポート終了)のタイミングが存在します。気づかずに使い続けていると、セキュリティ上のリスクや予期しないコスト発生につながることもあります。
代表的な例を挙げると、次のようなものがあります。
種別 | 対象例 | リスク例 |
---|---|---|
OSバージョン | Amazon Linux 1/Windows Server旧版 | パッチ非提供、セキュリティ脆弱化 |
Lambdaランタイム | Node.js 12/Python 3.7など | 実行不可になる場合あり |
ECS/EKS用AMI | 古いイメージを使ったまま | 脆弱性対応の対象外に |
RDS/Aurora | MySQL 5.7、PostgreSQL 11など | 延長サポートによる追加課金 |
CLI/テンプレート | 古い構文や記法 | デプロイエラー・非対応化の恐れ |
これらは、普段意識されることが少なく「正常に動いているから問題ない」と判断されがちですが、実際にはサポート切れによる潜在的なリスクを抱えた状態となっている可能性があります。
見直しは“今”が最適なタイミングです
EOLの情報は、意識して見に行かないと気づきにくく、「放置していたらコストもリスクも積み重なっていた」という状況になりがちです。そのため、今のタイミングで一度、以下のような点をチェックしておくことをおすすめします。
- 利用中のリソースにEOL対象が含まれていないか?
- 延長サポートの課金が発生していないか?
- セキュリティ面で懸念のある構成になっていないか?
「AWS環境診断サービス」で、リスクの可視化を
フューチャースピリッツでは、AWSをご利用中のお客様に向けて、「AWS環境診断サービス」を提供しています。
このサービスでは、AWSアカウント全体の構成を分析し、
- EOL・延長サポート対象リソースの抽出
- コスト最適化のご提案
- セキュリティや可用性のチェック
- バージョンアップ・再構築のアドバイス
など、専門エンジニアが現状を「見える化」してご報告します。
「見直したいけど、何から始めれば?」という場合にこそ、お役立ていただける内容です。
いわば“AWS環境の健康診断”として、トラブルが起きる前の点検にご活用いただけます。
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