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2021.09.17

AWS

AWS無料利用枠を上手に活用するために〜無料利用枠の概要と請求管理についてポイント解説〜

AWS(Amazon Web Service)は機能性、柔軟性、可用性に富んだクラウドサービスです。アカウントを登録するだけで、いつでも、誰でも、どこからでも利用することができます。近年、多種多様なコンピューティングリソースがクラウド上で動作し、場所やデバイスを問わず大量のデータにアクセスできるようになりました。今やAWSは世界で4割のシェアを占める人気のクラウドサービスとなっています。

AWSは2021年時点で200以上のサービスを提供しており、その中の約70個のサービスに「無料利用枠」が設定されています。AWSは基本的に、利用した分だけ支払う従量制課金ですが、利用時間、データ転送量、リクエスト数など様々な従量基準があるため「無料利用枠」ではどの従量基準で無料になるかを確認することが重要です。本記事では、AWSで最も利用の多いEC2、RDS、S3における無料利用枠の概要と、請求管理における運用上のポイントについて解説します。

1.AWSの無料利用枠について

無料利用枠と聞くと、「初めて利用する人向け」「最初の数ヶ月だけ」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?AWSの無料利用枠は、サービスも多く少し特殊な考え方です。まずは、AWSの3種類の無料利用枠と注意点についてご紹介します。

AWSの無料利用枠の種類

(1)トライアル
サービスをアクティベートした日から定められた一定期間の短期型無料利用枠です。トライアル期間中は無料で全ての機能が利用できます。トライアル期間満了後は標準料金が課金されます。トライアルの利用状況を参考とし、標準料金の予測にご活用ください。

(2)12ヶ月間無料
最初のサインアップから12ヶ月間有効な無料利用枠です。ただし、リソース制限があり、無料利用枠の制限を超えた場合は標準料金が発生します。AWSの利用が初めての方向けに、使用感の確認や、基礎知識の学習にもご活用ください。

(3)常時無料
AWSを継続利用するユーザーに向けた実施恒久的な割引サービスです。 通知や監視などAWSの基本機能として提供するものや、新サービスの利用促進のため一定量を無料提供しているものなどがあります。

AWS無料利用枠の注意点

AWSの無料利用枠には以下のような注意点があります。

(1)すべての AWSサービスが、無料利用枠の対象ではない。
前述した通り、現状約70のサービスのみ「無料利用枠」が設定されています。

(2)AWS無料利用枠によって使用量が制限されることはない。
無料利用枠の利用を前提としたアカウントは存在しません。AWSアカウントを登録すると、全てのサービスを有料・無料関わらず利用できてしまいます。

(3)サービスへのアクセスによって料金が発生する場合がある。
AWSは単独のサービスを利用することもありますが、システム構築においては複数のサービスを連携させるケースも多々存在します。その中で無料利用枠の無いサービスや、利用時間、データ転送量、リクエスト数によって料金が発生するものもあるので、利用前には注意が必要です。

2.AWSの代表的なサービスの無料利用枠について

ここまで無料利用枠の種類をご紹介しました。AWSには約70のサービスで無料利用枠が設けられていますが、最も利用されている代表的なサービスにEC2、RDS、S3があります。それぞれどのような無料利用枠の条件が設けられているのかを解説していきます。

AWS EC2の無料枠

EC2は、AWSが提供する代表的なIaaS型クラウドコンピューティングサービスです。 AWSアカウントを 新規作成した日から12ヶ月の無料枠となり、EC2インスタンスを 750時間/月 無料で利用できます。これは、インスタンス1台に対する利用枠ではないので注意が必要です。例えば、2台同時に起動していた場合、1台あたりの無料起動時間は350時間/月となります。 また、インスタンスタイプはt2.micro、OSは Amazon Linux 1,2、Windows Server、Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux、Ubuntu Serverという制限があります。

AWS RDSの無料枠

RDSは、AWSが提供するクラウド型のリレーショナルデータベースサービスです。 EC2同様、AWSアカウントを新規作成した日から12ヶ月の無料枠となります。 750時間/月 無料で利用できますが、こちらもインスタンス1台に対する利用枠ではないので注意しましょう。 インスタンスタイプはdb.t2.micro、DBはMySQL、MariaDB、Oracle BYOL、SQL Serverのマネージド型リレーショナルデータベースという制限があります。

AWS S3の無料枠

S3は、AWSが提供するクラウド型ストレージサービスです。 AWSアカウントを新規作成した日から12ヶ月、5GBの標準ストレージと20,000件のGetリクエスト、2,000件のPutリクエストが無料枠の対象となります。

AWSは無料利用枠についての専用ページを設けています。それぞれのサービスにおける条件について詳細が記載されているので、ご利用前に是非参考にしてください。

参考:AWS無料利用枠
https://aws.amazon.com/jp/free/

3.AWSの請求管理方法について

AWSのポリシーとして、無料利用枠のみの利用を前提としたアカウントは存在しません。そのため、しっかり管理していないと高額な請求が発生してしまうケースもあります。 ここでは、特に利用の多いAWSサービスにおける失敗事例と、請求管理ダッシュボード(Billing & Cost Management Dashboard)を使ったコスト管理方法をご紹介します。

やってしまいがちな高額請求事例

事例1:EC2で対象ではないOSやインスタンスサイズで起動してしまう
無料枠では、対象のインスタンスサイズやOSが限られています。対象外のリソースを起動してしまうと、その時点で課金が発生します。また、対象OSについても注意が必要です。サードパーティのベンダーが個別開発したアプライアンス版OSは、対象のインスタンスサイズであっても無料枠でない場合があります。

事例2:EC2インスタンスを止め忘れてしまう
EC2は、750時間/月の起動時間が無料枠の対象です。前述した通り、これはインスタンス1台毎に割り当てられるものではありません。インスタンスそれぞれの起動時間の合計となるので、複数インスタンスの起動や止め忘れがあると750時間の無料枠を1ヶ月未満で使い切ってしまうことがあります。

事例3:意図しないリージョンにインスタンスを立ててしまう
EC2は世界各地でホスティングすることが可能です。それぞれのロケーションをリージョンと呼び、例えば、日本にはアジアパシフィック東京・大阪の2つのリージョンが存在します。これはグローバルに展開されており、現在25のリージョンが世界各地に設定されています。 EC2は管理画面でこのリージョンを選択することができますが、正しく選択しているかを確認することが重要です。例えば、うっかりアメリカ西部オレゴンリージョンなどデフォルトで設定されているリージョンにインスタンスを立ててしまい、東京リージョンでインスタンスを止めたのに課金が発生している、という人為的な操作ミスは非常に多いケースです。

事例4:様々なAWSを複合的に利用する
公開Webサーバを構築する際、EC2、RDS、S3以外のサービスを複合的に利用することで課金が発生するケースがあります。例えば、Route53サービスを通じてドメイン名を取得した、AWS WAFでルールを設定した、SSL証明書を取得したなど、関連サービスが無料枠でない場合があるので注意が必要です。

事例5:無限ループによる課金発生
リクエスト数や通信量に応じて無料枠が設定されているサービスは、一時的なアクセス負荷によって無料枠を使い切ってしまうことがあります。これは人為的な設定ミスに起因すると考えられます。ごく稀なケースですが、AWSにおけるFaaSサービスであるAWS Lambdaなどは、プログラミングコードのみでサービスリリースができるサービスであり、一定のリクエスト数が無料枠の対象です。コードの欠陥などにより無限ループが発生し、無料枠のリクエスト数を使い果たしてしまい高額請求となった事例もあります。

AWS管理ダッシュボード(Billing & Cost Management Dashboard)を使ったコスト管理方法

AWSの管理ダッシュボードは、無料枠の利用状況を目視で確認することができます。サービス毎やリージョン毎など利用状況をフィルタリングしての確認も可能です。 また、請求アラート通知の機能があり、無料利用枠の上限の85%を超えた時に登録アカウントのメールアドレスに送信するように設定されています。 無料枠を超えた場合も、AWS Budgetsという予算管理機能があり、任意のサービスに対し設定した予算閾値を超過したときにアラートメールのアクションをとることが可能です。 前述した通り、AWSは無料利用枠のみの利用を前提としていないため、定期的に管理ダッシュボードにログインし、利用状況を目視で確認することを推奨します。

4.まとめ

AWS無料利用枠は様々なサービスが対象となっていますが、内容や条件はそれぞれ異なります。無料利用枠の利用前には以下の3点にご留意ください。

  • ●AWS無料利用枠の対象サービスについて従量基準を確認してから利用すること。
  • ●無料枠は技術習得や検証向きの用途である。本番系の公開システムや商用目的のシステムを無料枠内で利用する前提で考えないこと。
  • ●管理ダッシュボードで設定可能な無料枠の請求アラートは必ず設定すること。

また、管理ダッシュボードでは、例えば予算超過した時に自動的にEC2インスタンスを止めるなど、柔軟かつ高度な設定も可能です。ただし、AWSの幅広い知識やスキルが必要となりますので、是非AWSパートナーの導入・運用支援を検討してみてはいかがでしょうか。

AWS導入を検討してされている方、またAWSの運用に課題をお持ちの方、 まずはお気軽にご相談ください。

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